猫の変形性関節症の治療内容と費用

骨関節疾患

こんにちは!院長です^^

今回のテーマは【猫の変形性関節症の治療内容と費用】です。

この記事で分かること
  • 変形性関節症はどんな病気か
  • 変形性関節症の治療内容
  • 猫の変形性関節症患者が当院で実際にいくら費用がかかっているのか

ネコちゃんを飼っている方で、こんな状況の方はいらっしゃいませんか?

👵「〇〇ちゃん前まで爪とぎして壁紙をダメにしてたんだけど、ここ最近は全然しなくなっちゃったわ。気が付いたら爪が伸びて肉球に刺さってたのよ。高いところにも上り下りするのも減ったし、どうしちゃったのかしらねぇ。」

そのパターンは「変形性関節症」かもしれません。(もちろん他の疾患の可能性もありますので、必ず獣医師の診察を受けてくださいね)

変形性関節症はどんな病気か

関節にある軟骨が何らかの原因で減少・変形することで生じる病気で、進行すると関節に痛みが生じてしまいます。

この関節の痛みのせいで爪とぎが出来なくなってしまったり、元気に飛んだり走ったりが出来なくなってしまうのです。(下図は爪とぎをしていない16歳の高齢猫の爪)

変形性関節症は猫の3頭に1頭がかかると言われ、12歳以上の猫の90%で認められるというデータもあります。

高齢の猫ちゃんのほとんどは程度に差はあれど、どこかしらの関節が痛いということですね。

変形性関節症の原因

  • 加齢
  • 肥満(体重増加)
  • 遺伝性

加齢や肥満で関節に負担がかかってしまい、変形性関節症を悪化させる要因となります。

スコティッシュフォールドなどは遺伝によって変形性関節症を引き起こすことがあります。

変形性関節症の症状

  • 高いところへ上がらない、もしくはジャンプする際に少しためらっている
  • 高いところから降りるのをためらう、もしくはなるべく着地の衝撃を少なくしようとしている
  • 爪とぎをしなくなる
  • 走らず歩いて移動する
  • 遊んでいる途中で休憩してしまう、ゆっくりになってしまう

下記サイトで詳しく映像とともに解説してくれていますので参照してみてください。

気づいてあげたい!痛みのサイン|ゾエティス | Zoetis JP

変形性関節症の治療内容

もしも上記のような症状がある場合はどうすれば良いのでしょうか?

まずは動物病院でレントゲン検査等で調べてもらいましょう。変形性関節症と診断されたら、基本的には内科治療となります。

  1. 消炎鎮痛剤を使用して痛みのケアをする
  2. 抗体医薬を使用して痛みのケアをする
  3. 関節保護サプリメントを使用する
  4. 肥満の猫の場合は適度な減量

(左から①②③のお薬、サプリメント)

特に②ソレンシアは最近発売された新薬で、1カ月に1回の注射で痛みの緩和ができるので非常に有効な治療のひとつです。

当院にも毎月ソレンシアを注射している猫ちゃんがいますが、高いところへの上り下りが楽そうになったと飼い主様は仰っています。

個人的にはEPA・DHAが豊富に含まれているアンチノールもお勧めです。(③のサプリメント)

EPA・DHAが関節の炎症緩和に役立ってくれるので、しばらく続けているとだんだんお薬の量を減らせたり症状がより改善することがあります。皮膚などの他の臓器にも良い影響を与えてくれる成分なので、なにか困ったときはこの成分が含まれるサプリを使用してみるのも良いかもしれませんね。

変形性関節症の治療費用

では実際に当院に通院している糖尿病患者にかかっている費用をご紹介します。

  • ケース1 猫(14歳)
  1. 診察料 660円
  2. ソレンシア注射料 9,900円

ソレンシアは自宅での投薬の手間がありませんし、安全性も高いお薬ですがコストがやや高いお薬になります。

  • ケース2 猫(12歳)
  1. アンチノール60入り 6600円
  2. 満腹感サポート2kg 5910円

この猫は体重が7kgありましたので、減量とEPA・DHA含有サプリメントで治療しました。

現在は5.2kgまで減量し上り下りが以前より楽そうになっております。

最後に

あまり気づきにくい病気の一つかもしれませんが、変形性関節症の猫は多く存在します。

そして小さな痛みに毎日苦しんでいますので、何らかの症状がある場合は動物病院に相談に行ってあげてくださいね。

 

 

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