こんにちは!院長です^^
第2回のテーマは【犬猫の避妊手術は必要?費用はいくらかかる?】です。
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犬猫の避妊去勢手術のメリット、デメリット
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犬猫の避妊去勢手術はいつ頃やるのが良いか
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避妊去勢手術をするのに当院で実際にいくら費用がかかっているのか
犬や猫を飼っていて動物病院に連れて行ったことのある方なら一度は獣医師に勧められたことがあるのではないでしょうか。
避妊去勢手術したほうが良いのかどうかと、実際に当院でかかる費用を解説していきます。
犬猫の避妊去勢手術とは?
去勢手術とは、オスの精巣を2つとも摘出する手術を指します。
手術時間(切開し始めて縫い終わるまで)は犬で約10分程度、猫で約5分程度の短時間な手術です。
避妊手術とは、メスの子宮と卵巣を摘出する手術を指します。
手術時間(切開し始めて縫い終わるまで)は小型犬や猫で約30分程度、大型犬で約45分程度の手術です。
避妊手術の場合、太っていると手術時間がもう少しかかることもあります。
避妊去勢手術のメリット
- 将来の病気リスクを避けられる
避妊去勢手術によって多くの疾患の予防ができます。
メスの場合
- 子宮蓄膿症
- 乳腺腫瘍
- 卵巣腫瘍
オスの場合
- 精巣腫瘍
- 肛門周囲腺種
- 前立腺肥大
特にメスの場合は生殖器系の病気になると重症化したり大きな手術が必要になるケースがあります。
子宮蓄膿症(子宮が腫れて膿の溜まる病気)は一般的な死亡率は5%程度とされていますが、治療に取り掛かるのが遅くなり多臓器不全や子宮破裂を起こしている場合の死亡率は50%程度に跳ね上がります。(下図は子宮蓄膿症で腫れた子宮(左)と中から出てくる膿(右))
乳腺腫瘍の場合は傷口が非常に大きくなるケースもありますので、ペットへの負担が大きくなってしまいます。(下図は右側の乳腺を全摘出した猫)
- 望まない妊娠出産を防ぐことができる
嘘のような話ですが、公園で知らない間に他のオス犬と交尾してしまい妊娠した犬を過去に診たことがあります。
- 発情トラブルを防止できる
発情して異性の動物を追いかけたり、ホルモンバランスの乱れからくる元気食欲ムラを防ぐことが期待できます。
避妊去勢手術のデメリット
- 麻酔事故による死亡
麻酔による不慮の死亡事故は健康な若い犬猫で約0.1%程度と言われていますが、わずかながらそういったリスクはあります。
- 肥満になりやすい
避妊去勢をすると必ずと言っていいほど体重が増加しやすくなります。おやつやフードを与えすぎないようにしましょう。
- 尿失禁しやすくなることがある
特に大型犬のメス犬は尿失禁が起きやすくなる場合があります。
犬猫の避妊去勢手術はいつ頃やるのが良いのか
当院では犬猫ともに以下の年齢で避妊去勢手術を実施することを飼い主様に勧めています。
- オスの場合
生後8か月齢~10か月齢頃
- メスの場合
生後6か月齢~8か月齢頃
メスの場合は手術実施が遅くなればなるほど将来の病気リスク軽減のメリットが小さくなりますので、仔犬仔猫を飼っていらっしゃる場合はなるべく早く受けさせることを勧めます。
(下図はメスの避妊手術実施時期による乳腺腫瘍予防効果の違い)
もちろん大人になった後でも受けられるメリットが多くありますので、病気のリスクを軽減させたいのであればなるべく手術を受けることを勧めます。
犬猫の避妊去勢手術の費用は?
当院では、以下のような金額となっています。
- 術前の身体検査と血液検査費用 5060円
猫の場合
- オス猫の去勢手術 11000円
- メス猫の避妊手術 24200円
犬の場合
- オス犬の去勢手術 24200円~44000円(体重が増えるごとに金額があがる)
- メス犬の避妊手術 30800円~55000円(体重が増えるごとに金額があがる)
最後に
個人的には仔犬仔猫を今から飼おうとしている、今まさに飼っているのならば迷わず避妊去勢手術を受けることを勧めます。
上記のような疾患で死んでしまった動物たちを何匹も見てきましたので、避妊去勢手術は本当に大事な予防だと思います。参考にしてみてください。
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