こんにちは！院長です＾＾
第8回のテーマは【ペットが異物を飲み込むとどうなるの？】です。
犬猫を飼ったことのある方なら誰しもが一度は経験があるのではないでしょうか。
👴「〇〇ちゃんがおもちゃをかじってを食べてしもうた！！」
👵「〇〇ちゃんがタオルをかじって飲み込んじゃったわ！！」
そのパターン場合によっては「消化管閉塞」になってしまうかもしれません。（異物の大小に関わらず、必ず獣医師の診察を受けてくださいね）
消化管閉塞は小腸に異物が詰まってしまい、吐き出すことも排泄することもできなくなってしまう病気（状態）です。
食べ物ではないものを飲み込んでしまった場合、小さなものや柔らかいものであればそのまま排泄されることもあるのですが、大きすぎたり硬すぎると小腸に詰まってしまう可能性があります。
以下が消化管閉塞の典型的な症状です。
・何度も嘔吐するがなにも出ない
・元気食欲がない
・排便しない
・食欲はあるが慢性的に嘔吐症状が続く（胃に異物が停滞している場合）
もしも異物を飲み込んでしまった場合はどうすれば良いのでしょうか。
①飲み込んでしまった直後の場合（遅くても4～5時間以内）
異物が胃の中にあれば吐かせる処置や内視鏡による摘出で治療が済むかもしれません。ただし、内視鏡による摘出は全身麻酔が必要になります。
犬の吐かせる処置は嘔吐成功率が高いですが、猫の吐かせる処置は嘔吐成功率があまり高くないので注意してください。
(下図は主に犬で吐かせる処置に使用する薬剤)
②飲み込んで時間が経過している場合(5～6時間以上は経過している場合)
異物が胃から十二指腸へ通過できないくらい大きな場合は胃内に留まっているかもしれません。（犬用のゴムボールなど）その場合は内視鏡で摘出できるかもしれませんが、形状によっては内視鏡で掴めないこともあります。
小さな異物や柔らかい異物は胃から腸へすでに移動している確率が高いので、吐かせる処置や内視鏡での摘出は難しいかもしれません。
仮に時間が経過していたとしても、レントゲン検査などで摘出できるか判別できることもありますので、必ず動物病院で診察を受けてください。
では、実際に消化管閉塞してしまうとどうなるのでしょうか。
消化管閉塞をしてしまうと自然に治ることはありませんので緊急手術を行うことになります。
(下図はタオルを飲み込んで詰まってしまった犬の手術シーン)
手術後はしばらく食事を与え方に注意が必要ですので1週間程度入院することになります。
※特に飲み込んだ異物が長いひも状の場合は腸が壊死して死亡、もしくは手術中に予後不良と判断して安楽死を選択することがありますので必ず動物病院で診察を受けてください。
次回第9回は仔猫から黒い耳垢がたくさん出てくる⁉です。お楽しみに＾＾
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