こんにちは!院長です^^
第10回のテーマは【仔犬の歯が二重に生えてる⁉】です。
ワンちゃんを飼っている方でこんな状況の方はいらっしゃいませんか?
👵「〇〇ちゃん、前歯や犬歯が二重に生えているのだけどなんでなのかしら??」
そのパターンは「乳歯遺残」かもしれません。(もちろん他の疾患の可能性もありますので、必ず獣医師の診察を受けてくださいね)
乳歯遺残は永久歯との生え変わりの際に乳歯が抜け落ちずにそのまま存在し続ける状態のことです。
(下図は前歯の乳歯が3本抜けずに残っている様子)
トイプードル、チワワ、ミニチュアダックス、マルチーズなどの小型犬でよく遭遇しますが、中型犬や大型犬、猫ではほとんど遭遇しません。
乳歯遺残を放っておくとどのようなデメリットがあるのでしょうか。
・歯垢歯石が付着しやすくなり歯周病を誘発しやすくなる
・永久歯の歯並びが悪くなる
(下図は乳犬歯が邪魔で犬歯が舌側に生えてきてしまっている様子)
もしも乳歯遺残している場合はどうすれば良いのでしょうか?
基本的に遺残してしまっている乳歯は自然に抜ける可能性が低いので、動物病院で乳歯抜歯をしてもらってください。内科的にお薬などで抜けやすくする方法はありません。
当院では乳歯の生え変わりの時期と避妊去勢手術の実施時期が近いので、避妊去勢手術の際に乳歯遺残していれば同時に抜歯するようにしています。
もしも成犬で乳歯遺残している場合は、歯石取りを兼ねて乳歯抜歯を実施しています。
乳歯遺残しているからといって何か分かりやすい症状が出ることはほとんどないので、飼い主の方からすると必要性が低いように感じる処置かもしれませんが、遺残している乳歯にメリットは全くありませんので可能な限り抜歯してあげることを勧めます。
(下図は抜歯した乳犬歯で、歯根が完全に残っていたため自然に抜けることはなかった)
もしもご自宅のワンちゃんが乳歯遺残している場合は、一度動物病院で抜歯について相談してみてくださいね。
次回第11回は犬が急に立てなくなりました!!です。お楽しみに^^
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