犬猫の慢性腎臓病の治療内容と費用

泌尿器疾患

こんにちは!院長です^^

今回のテーマは【犬猫の慢性腎臓病の治療内容と費用】です。

この記事で分かること
  • 慢性腎臓病はどんな病気か
  • 慢性腎臓病の治療内容
  • 慢性腎臓病患者が当院で実際にいくら費用がかかっているのか

ワンちゃんネコちゃんを飼っている方で、こんな状況の方はいらっしゃいませんか?

👨「〇〇ちゃんのおしっこの量が最近多い気がするなぁ。ちょっと瘦せたし嘔吐することが増えた気がする。毛並みもイマイチだしどうしたのかな?」

そのパターンは「慢性腎臓病」かもしれません。(もちろん他の疾患の可能性もありますので、必ず獣医師の診察を受けてくださいね)

慢性腎臓病とはどんな病気か

腎臓は血液から尿をつくり体の中で不要になった老廃物や毒素を尿の中に排泄する働きがあります。

慢性腎臓病は腎臓の機能が長い年月をかけて徐々に低下していく病気です。

慢性腎臓病は完治することはできない進行性の疾患で、治療の目的は少しでも腎臓病の進行を遅らせることです。

慢性腎臓病の原因

  • 老化による腎臓機能の低下
  • 細菌感染などによる腎炎
  • 薬物摂取による腎障害
  • 脱水などによる腎臓血流減少
  • 尿路結石による尿路閉塞
  • 自己免疫疾患

様々なことが考えられますが、原因がはっきりと分からないことも多いです。

慢性腎臓病の症状

  • 多飲多尿
  • 体重減少
  • 毛ヅヤの悪化
  • 嘔吐
  • 食欲低下

特に初期の場合はほとんど症状が分からないことも多く、ある程度進行した状態で分かることも少なくない病気です。

急に元気食欲がなくなるといったケースは急性腎不全が多く、治療後に慢性腎臓病に移行することもあります。

慢性腎臓病の治療内容

  • 食事療法

犬猫の慢性腎臓病用の療法食がありますので、獣医師に指定された療法食を与えてください。

これらの療法食は低たんぱく、低リン、低ナトリウム設計になっているので腎臓への負担が少なくなります。

  • 点滴療法

犬猫の慢性腎臓病は脱水している場合が多く、皮下点滴によって脱水を防ぐことができます。

皮下点滴は体液を増やすことで尿量を増やし、老廃物の排泄を促すことも期待できます。

  • 薬物療法

腎臓保護作用のあるお薬や、高めの血圧を下げてくれるお薬を与えます。

  • サプリメント

リンの吸収を阻害してくれるサプリメントや、腎臓保護作用のあるEPA・DHAの含まれたサプリメントを与えることで経過が良くなることが期待できます。

慢性腎臓病の治療費用

では実際に当院に通院している慢性腎臓病患者にかかっている費用をご紹介します。

  • ケース1 犬(14歳)
  1. 療法食費用 3181円
  2. 内服費用 1848円
  3. サプリメント費用 3740円
  4. 処方料 330円

この犬は経過が良好ですので、1カ月に1回来院していただいてお薬等を処方しています。

  • ケース2 猫(18歳)
  1. 診察料 660円
  2. 皮下点滴料 2200円

この猫は脱水傾向があるので、週に1回点滴をするために通院していただいています。

効果はしっかり出ており、3カ月で体重が20%も増えました。

  • ケース3 犬(17歳)
  1. 診察料 660円
  2. 血液検査料 3850円
  3. 尿検査料 1650円
  4. 点滴料 2200円

この犬は週に2回ほど皮下点滴をしており、3カ月に一度検査を実施しています。

最後に

慢性腎臓病は完治しない病気ですので、病気と長く上手に付き合っていくことが必要です。

通院頻度や費用は様々ですが、継続的な治療が元気に過ごせる時間を必ず長くしてくれます。

 

 

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