犬猫の肺炎の治療法と費用

呼吸器疾患

こんにちは!院長です^^

今回のテーマは【犬猫の肺炎の治療法と費用】です。

この記事で分かること
  • 肺炎はどんな病気か
  • 肺炎の治療内容
  • 肺炎患者が当院で実際にいくら費用がかかっているのか

ワンちゃんネコちゃんを飼っている方で、こんな状況の方はいらっしゃいませんか?

👨「〇〇ちゃんなんだか息苦しそうにしているぞ?ごはんも食べてくれないし全然元気がないなぁ。」

そのパターンは「肺炎」かもしれません。(もちろん他の疾患の可能性もありますので、必ず獣医師の診察を受けてくださいね)

肺炎はどんな病気か

肺炎は、咳や呼吸困難を主症状とする呼吸器疾患です。

肺は吸い込んだ空気のガス交換を行っていますが、肺炎はその肺に炎症が起きて十分なガス交換ができなくなる状態をいいます。

特に免疫力の低い仔犬では重症化すると呼吸困難になり亡くなってしまうこともある病気です。

肺炎の症状

  • 呼吸回数の増加
  • 口を開けて苦しそうにしている
  • 元気がなくなる
  • 食欲が低下する

呼吸回数の増加は自宅でも見分けることができ、安静時(ソファで落ち着いているときなど)の1分間当たりの呼吸回数が40回を超えている場合は呼吸回数が多いと判断してください。

肺炎の原因

  • 細菌感染

原因菌にはマイコプラズマや肺炎球菌があります。犬の場合はケンネルコフ(犬伝染性気管気管支炎)の原因として多いボルデテラ菌(Bordetella bronchiseptica)の関与も考えられます。

  • ウイルス感染

犬の場合はパラインフルエンザウイルスやアデノウイルスなどの感染で、猫の場合は猫ヘルペスウイルスと猫カリシウイルスの感染によって発症するのが一般的です。

  • 真菌感染
  • 寄生虫感染
  • 誤嚥性

真菌や寄生虫感染による肺炎は比較的稀です。

誤嚥性肺炎は飲み込んだ食べ物などが誤って気道に入り、一緒に細菌などが侵入して炎症を起こすことで発症します。仔犬や老犬で起こることが多いです。

肺炎の治療内容

  • 酸素吸入

呼吸困難症状で低酸素状態に陥ると苦しくなってしまうので、酸素濃度を上昇させた入院室で入院させます。肺の炎症がある程度改善するまでは必要不可欠な処置となります。

  • 抗生物質

細菌感染している場合は当然使用しますが、ウイルス等が原因でも二次的に細菌感染する場合がありますので基本的に使用します。

  • 抗炎症剤

炎症を抑える目的でステロイド剤などの抗炎症剤を使用する場合があります。

  • 栄養補給

免疫力を落とさないために、誤嚥しないよう慎重に給餌します。自力で食べてくれる場合は予後が良い場合が多いです。

肺炎の治療費用

では実際に当院で入院管理した肺炎患者にかかった費用をご紹介します。

  • ケース1 犬(3か月齢)
  1. 入院期間 5日間
  2. 入院費用 85470円

酸素室に5日間入院し、レントゲン検査や投薬を実施しております。

退院後も1カ月以内に3回通院していただき経過を診ました。(約8000円かかっています)

  • ケース2 犬(3か月齢)
  1. 入院期間 4日間
  2. 入院費用 69340円

酸素室に4日間入院し、投薬や吸入を実施しております。

退院後も1カ月以内に2回通院していただき経過を診ました。(約6000円かかっています)

最後に

免疫力の低い仔犬や老犬が重症化するケースが多く、残念ながら助からなかった症例もいます。

呼吸回数の増加や元気食欲の低下がみられた場合は、速やかに動物病院を受診するようにしてください。

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