【獣医師が教える】ペットが急死するパターン4選

アドバイス編

こんにちは!院長です^^

今回のテーマは【ペットが急死するパターン4選】です。

この記事で分かること
  • ペットが危険に陥っているのはどんなときか
  • 病気が疑われるときに飼い主ができること

重たいテーマですが、知識として知っておくといつか役に立つかもしれません。

※基本的には下記の病気が疑われる場合は速やかに動物病院を受診してください。

肺水腫

心臓病などが原因で肺に液体が溜まってしまい呼吸困難になってしまう病気です。

犬の場合の典型的な症状

  • 明らかに呼吸が苦しそう(おおまかな目安は1分間の呼吸回数が40回以上場合)
  • お座りの姿勢から動けず、伏せたり寝たりができない
  • 咳がひどく呼吸が苦しい
  • ベロが青紫色になっている

肺水腫は呼吸ができずに死亡してしまうリスクが非常に高い病気です。

基本的には入院管理しなければならないのですぐに動物病院を受診してください。

もしも肺水腫が起きているかもしれないのに動物病院をすぐに受診できない場合は

  • 無理に抱っこしたりしない(呼吸しにくくなる可能性があるため)
  • 室温が高いならエアコンを効かせて涼しくする
  • 動物病院で利尿剤をもらっている場合は無理のないように1回分投薬する

これらを参考にしてみてください。

胃拡張捻転症候群

胃がパンパンに膨らみ捻じれてしまうことで起こる致死率の非常に高い病気で、特に大型犬で良く発生します。

発生するメカニズムは明確には分かっていませんが、食事直後の運動で誘発されるとよく言われています。

捻じれることで胃の中のガスを排出することができず、臓器が胃で圧迫されて全身の血流障害が起きショックなどを起こして亡くなってしまいます。

典型的な症状

  • お腹がパンパンに張って苦しそう
  • 嘔吐する様子はあるのに吐物がでてこない
  • 息苦しそうにしている

胃拡張捻転症候群の場合は残念ながら自宅で飼い主ができる応急処置はほぼありません

動物病院にて

  • 検査して病状を確認する
  • 胃の中の空気を抜く
  • 点滴をして血液循環を改善する
  • 手術をして捻じれを整復し再発を防ぐ処置をする

などの専門的な対応が必要となります。

早急に対応してくれる病院を探すようにしてください。

異物誤食

消化のできない異物やペットにとって有害な食べ物を誤って食べてしまった場合です。

犬猫で良く遭遇する異物誤食は

  • タオルや靴下などの布製品
  • 犬用のゴムボール
  • ひも状ねこじゃらし

これらの異物は腸閉塞や腸の壊死を引き起こしてしまう危険があります。

 

犬猫が食べてはいけない有害な食べ物の代表例は

  • ぶどう(特に犬)
  • チョコレート
  • キシリトールガム(特に犬)
  • ねぎ類
  • ユリ(特に猫)

万が一これらを誤食してしまった場合は、様子を見ることはせずにすぐに動物病院を受診して吐かせる処置を受けるかどうか診てもらってください。

先週おもちゃを飲み込んでうんちにでてこないから連れてきたんですけど

昨日ブドウ食べたんで一応連れてきました

こんな感じで少し様子見て受診するみたいなひとがたまにいますが、場合によっては命にかかわるケースもありますのでおすすめしません。

尿路結石

尿路結石ができて尿道に結石が詰まってしまい、排尿ができなくなることがあります。(特にオスに良く起こります)

結石が尿道に詰まると急性腎障害がおきてしまったり、ひどい場合は膀胱破裂が起きてしまうことがあります。

典型的な症状

  • トイレに何度も行くけどおしっこが出てない
  • 排尿時に痛そうに鳴いたりする
  • 元気や食欲がなくなる

ただの膀胱炎と症状が非常に似ていますが緊急性が段違いです。

もしも尿路結石で尿道が詰まっていた場合、下腹部を圧迫すると膀胱が破裂してしまう可能性があります

抱きかかえたりする際は気を付けてください。

おしっこが出なくなった場合は動物病院で

  • 破裂した膀胱を縫合する
  • 尿道や膀胱内にある結石を取り除く
  • 詰まった尿道を開通させる
  • 腎臓病の治療をする

などの処置が必要になります。

まとめ

もちろんこれら以外にも緊急疾患はたくさんありますが、今回は一部をご紹介しました。

とくに小型犬の心臓病は非常によく見られる病気なので、肺水腫で亡くなるワンちゃんは頻繁に遭遇します。

ちょっと様子見ようかな?が取り返しのつかない結果になる場合がありますので、いつもと様子が違う時は早めの受診を検討してください。

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