【獣医師が教える】仔猫の飼い方

アドバイス編

こんにちは!院長です^^

今回のテーマは【仔猫の飼い方】です。

この記事で分かること
  • 仔猫を飼い始めた際にすること
  • 動物病院にいつ行けばよいか

仔猫を迎え入れる際の参考にしてみてください。

仔猫を飼う前に

ネコを飼うということはそのネコちゃんの命に責任を持つということでもあります。

  1. 約15年間ずっとネコちゃんの面倒を見続けることができるか
  2. ネコを1頭飼うのに生涯で約200万円かかるが負担にならないか
  3. 猫アレルギーや転居など飼えなくなるリスクがないか

思い付きで飼い始めるとネコも飼い主も不幸になりますので、飼う前にきちんと情報を集めて決めましょう。

仔猫を迎え入れるときに準備するもの

  • フードやお水を入れる食器
  • 猫用の寝具(クッションなど)
  • キャットタワー
  • 猫用のトイレと猫砂
  • クレート(ネコちゃんを入れて運ぶ箱のようなもの)
  • キャットフード
  • おもちゃ

おおよそこれくらいは最低必要になるのではないかと思います。(2~3万円程度で揃います)

個人的におすすめなグッズを数点ご紹介します。

  • 高さのある陶器の食器

よくあるステンレスの食器ではなく少し高さのある陶器の食器を使っています。

ネコは食器に高さがある方が食事や水を飲み込みやすく、陶器の食器を好む傾向があると言われています。

  • ニャンとも清潔トイレ

固まらない抗菌チップが糞尿のにおいを抑えてくれ、下のスノコにおしっこが落ちる仕組みになっているのでのでネコちゃんの足元を汚しません。

  1. 臭いが少ない
  2. 粉っぽさがないので粉塵が舞わない
  3. 囲いに高さがあるのでチップが飛び散らない

いろいろと猫用トイレを使いましたが、今はこのトイレに落ち着いています。

仔猫へのフードの与え方

  • 仔猫には必ず仔猫用キャットフードを与えてください。

 当院で主に扱っている仔猫用キャットフード

日齢によってフードの与え方が異なりますので、以前の記事の『仔猫への食事はどうすれば良いか』を参考にしてください。

【獣医師が教える】仔猫を保護する際の注意点 | 動物病院経営獣医師のつぶやき (veterinarytweet.com)

フードをお湯でふやかすか、柔らかい缶詰フードを1日2~4回くらいに分けて与えましょう。

散歩や遊びの量はどれくらい必要か

  • 散歩は不要

基本的にネコの場合は散歩は不要です。筆者は散歩に行くことは推奨しません

なぜならネコはイヌより関節の可動域が広いので胴輪が外れてしまうリスクが高いからです。

ネコがパニックを起こして脱走してしまうと捕まえることはほぼ不可能です。

最悪の場合、そのまま二度と会えなくなる可能性がありますので散歩は控えてください。

  • おうちでの遊び時間はたっぷりと

ネコは猫じゃらしやねずみを模倣したおもちゃなどを使った遊びが大好きです。

特に好きなおもちゃや遊び道具をご紹介します。

  1. ねこじゃらし
  2. レーザーポインター
  3. 隠れることのできる箱やトンネル
  4. 高いところに登れるキャットタワー
  5. 動く電動ネズミ人形

狩猟本能をくすぐるような遊びをしてあげるとネコらしい動きをしてくれますので飼い主の方も楽しめると思います。

動物病院を受診するタイミング

ネコちゃんを迎え入れて1週間程度経過したら、動物病院にて予防接種などの相談をするようにしてみてください。

稀にネコちゃんを迎え入れてからその足で受診される方がいますがそういったのはお勧めしません。

新しい環境(飼い主宅)への変化で体調を崩す場合もありますので、1週間程度は慣らしてあげてから受診してくださいね。

仔猫の患者様に対して筆者は3つの予防をご提案しています。

  • 混合ワクチン

任意ではありますが仔猫の場合は3回接種を推奨しております。(成猫は1年に1回)

1回目、2回目、3回目はそれぞれ3~4週間あけて接種するように計画してください。

  • フィラリア ノミ ダニ予防

筆者は自院の飼い主様に強くは勧めていませんが、寄生虫からネコちゃんを守るための予防薬を与えることを推奨しています。

基本的には1カ月に1度、飼い主が自宅にて予防薬を与えることで予防できます。

ワンちゃんと異なりネコちゃんは家の外に出る機会が少ないので、寄生虫に寄生される機会は少ないと思われます。

もしも庭やベランダにネコちゃんが出る、ワンちゃんも一緒に飼っているといった場合は寄生虫予防を検討しても良いかもしれません。

 当院で主に使用している予防薬

  • 避妊・去勢手術

生後6か月~8か月齢頃を目安に避妊・去勢手術を勧めています。

特にメスは1歳未満で避妊手術を受けると大きなメリットを受けることができます。

↓避妊・去勢手術に関しては過去に記事を書いてますので参照してください。

犬猫の避妊去勢は必要?費用はいくらかかる? | 動物病院経営獣医師のつぶやき (veterinarytweet.com)

室内飼いのすすめ

完全な室内飼いをせずに自由に外へ出ることができるような飼い方はあまりおすすめできません。

理由は下記のようなケガや病気をしてしまうリスクがあるからです。

  1. 外の猫とケンカをしてけがをする、またはウイルスに感染する
  2. 自動車などに轢かれてけがをする(亡くなる)
  3. いたずらをする人にけがを負わされる
  4. ノミやダニに寄生されて病気を発症する

特に寄生虫感染ではネコちゃん本人が病気になるだけではなく、飼い主の方にも病気が移ってしまう場合があります。(人獣共通感染症といいます)

最近話題の人獣共通感染症のひとつに「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」というものがあり、ダニに噛まれて感染してしまったネコちゃんから飼い主へ移り死亡した例もあります。

上記のように外に出ることができる飼い方には危険が伴いますので室内で飼うことを勧めます。

 

 

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