【獣医師が教える】犬アトピー性皮膚炎の治療

皮膚

こんにちは!院長です^^

今回のテーマは【犬アトピー性皮膚炎の治療】です。

この記事で分かること
  • 犬アトピー性皮膚炎の治療の考え方
  • 犬アトピー性皮膚炎の時に使うお薬

痒みで悩んでいるワンちゃんの飼い主様必見です。

犬アトピー性皮膚炎はどんな病気か

ざっくり言うと『花粉やハウスダストに反応するアレルギー性皮膚炎みたいな感じです。

犬アトピー性皮膚炎には以下のような特徴があります。

  1. 生後6か月~2歳程度の若い犬が発症しやすい
  2. 特に春~夏が痒みが強い傾向がある(冬は痒みが弱い)
  3. 年々悪化する傾向がある
  4. 何度も膿皮症を繰り返してしまう
  5. 足の裏、耳、脇や股間などに症状がよくでる

残念なことに人間の花粉症と同様に犬のアトピーは完治は困難です

また、犬アトピー性皮膚炎が痒みを引き起こす原因は以下のようになります。

  1. 皮膚のバリア機能が低下しているので花粉などの侵入を防げない
  2. 侵入してきた花粉などに過剰な免疫反応を起こしてしまう(アレルギー反応)

犬アトピー性皮膚炎の治療

改めて言いますが、今の獣医療では犬アトピー性皮膚炎は完治は難しいので『お薬』『スキンケア』『サプリメント』などで上手に管理していく必要があります。

基本的に治療をやめると痒みや脱毛が悪化してしまいますので、根気よく続けていかなければなりません。

アトピー性皮膚炎の治療の柱はお薬になります。サプリメントや保湿だけで管理することは基本的に難しいでしょう。

  • 痒み止めのお薬

現在の獣医療で主に使用しているお薬は4種類あります。

下図にそれぞれのお薬の特徴をまとめています。

どのお薬を使うのか、どう使うのかなどは担当獣医師と相談して決まります。

※自身の判断で勝手に薬を増やしたり変更したりしないようにしてください。

  • サプリメント 保湿剤

犬アトピー性皮膚炎では皮膚バリア機能が低下していますので、このバリア機能を高めてあげるとお薬の効果がより高まります。(お薬の量を減らせる可能性があります)

サプリメントとしてよく用いられるのは、EPA・DHAなどの必須脂肪酸含有サプリだと思います。(アンチノールやエッセンシャル6など)

保湿剤として有効なのは、セラミド含有のローションや入浴剤が非常に良いでしょう。(モイスチャライズフォームやダーマモイストバスなど)

また、最近では『腸活』が犬アトピー性皮膚炎の管理に有効であると考えられてきています。

免疫の調整を担当する細胞の多くが腸に存在し、多種多様な細胞が免疫の調整を担っています。

しかし、アトピー性皮膚炎の犬はこの細胞の多様性が失われいるので免疫の調整がうまくいかずアレルギー体質になっていると考えられています。

アトピー犬用の腸活サプリがありますので動物病院に問い合わせてみてください。(取り扱っている動物病院は少ないのでご注意ください。)

いわゆる体質改善みたいなイメージですので、幼いころから継続すると非常に有効と思われます。

薬に頼らない方法はないのか

前項でも書きましたが、今の獣医療では犬アトピー性皮膚炎は完治が困難ですので『お薬』『スキンケア』『サプリメント』などで上手に管理していく必要があります。

すでに『痒み』『皮膚の赤み』『脱毛』『ぶつぶつ』などが出てしまっている場合は、サプリメントや保湿だけで管理することは困難でしょう。

もしもお薬を使わずにアトピー性皮膚炎の管理ができるとすれば、(発症するか分からないけど)発症前の仔犬の時から『腸活』などで体質改善をし続けてアトピー性皮膚炎を発症させないことかもしれません。

※腸活でアトピーの発症を絶対に防げるというわけではありませんのでご注意ください。

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