【獣医師が教える】ノミ・ダニ予防薬のすすめ

予防関連

こんにちは!院長です^^

今回のテーマは【ノミ・ダニ予防薬のすすめ】です。

この記事で分かること
  • ノミ・ダニに寄生されるとどうなるか
  • ノミ・ダニに寄生されないためにはどうすれば良いか

ノミ・ダニはやっかいな寄生虫ですのでしっかり予防しましょう。

※本文中のダニは基本的にマダニを指します。

ノミ・ダニはどんなところにいる?

ノミやマダニは身近なところに潜んでいます。

  • 近所の公園の草むら
  • 山や森の中
  • 道路の街路樹
  • 一軒家の庭
  • ノラ猫や野生動物

ノミやマダニは暖かいと活動的になりますので、特に春~秋はしっかり予防したほうが良いでしょう。

ノミ・ダニの見た目

ノミもマダニも体長は1~2㎜ほどしかありませんが、マダニの場合は吸血して大きくなると1㎝程度になります。

 左からマダニ、吸血したマダニ、ノミ

 左からマダニ、ノミの模型

ノミは犬や猫の体表をチョロチョロ動き回りますので、毛をかき分けてみるとハッキリと肉眼で確認することができると思います。

マダニは活発に動き回ることはせず皮膚に嚙みついたらずっとそこに留まります。顔周りに寄生していることが多いのが特徴です。

ノミ・ダニに寄生されると?

ノミやマダニに寄生されると様々な病気が引き起こされます。

いくつか代表的な病気をご紹介します。

  • ノミアレルギー性皮膚炎

ノミに寄生されるとアレルギー反応が起きて強い痒みが生じます。

  • 瓜実条虫の感染

ノミを誤って飲み込んでしまうことで犬猫の体内に瓜実条虫(サナダムシ)が寄生してしまいます。

肛門付近や糞便に米粒のようなものが付着している場合は瓜実条虫に感染しているかもしれません。

  • バベシア症

マダニのに噛まれることでバベシアという原虫に感染して貧血や赤い尿などの症状が出ます。

重症の場合は輸血が必要で死亡してしまうこともあります。

  • 重症熱性血小板減少症(SFTS)

最近注目されているウイルス感染症で感染した犬猫の体調が悪化するのはもちろんですが、ヒトにも感染してしまうことがあります。人の場合は死亡率が30%程度ですので非常に怖い感染症です。

ノミ・ダニを見つけた場合は

もしも寄生されているのを発見したら、シャンプーやクシだけで全てを除去することは基本的に困難ですので動物病院にてノミ・ダニ予防薬(駆除薬)を処方してもらうことを強く勧めます。

寄生しているのが見つけた1匹だけではなく、もっと多くのノミ・ダニが隠れていることを想定したほうが良いと思います。

※特にマダニを見つけた場合はご自身で取らずに必ず動物病院で取ってもらいましょう。皮膚に噛みついているマダニは適切に取り除かないと顎が刺さったまま胴体だけ取れてしまう場合があります。

更にノミ・ダニはおうちのブランケットやクッションなどにも落ちていたり、卵や幼虫を落としていたりするかもしれません。

可能ならば掃除や洗濯でそれらを除去するとより良いでしょう。特にノミは熱に弱いので熱湯や乾燥機で死滅させるのが有効です。

ノミ・ダニ予防薬の種類

大きく分けて予防薬は2タイプに分かれています。

  1. スポットタイプ(背中に付けるやつ)
  2. 錠剤タイプ

それぞれもう少し具体的に見ていきましょう。

  • スポットタイプ

月に1回、後頭部から首付近に垂らすことで予防ができます。

滴下された成分は体表の脂分を伝わって全身にゆきわたりますので、一か所に垂らすだけでしっかり効果が発揮されます。

  • 錠剤タイプ

月に1回(製品によっては3カ月に1回)、食べさせるだけで予防ができます。

※猫に向けた錠剤タイプは基本的にはありません。

特に錠剤タイプのノミ・ダニ予防薬は投与して数時間以内に効果が現れますので速やかに駆除が開始できます。

毎月予防してあげましょう

ノミ・マダニに寄生されてから駆除することを考えるのではなく、毎月予防薬を投与して寄生されないようにしておくことが最も大切なことです。

ノミやマダニに寄生されて苦しんでいる犬猫を何度も見てきましたし、飼い主の方も気持ち悪い思いをしなくて済みますので毎月の予防を強くお勧めします。

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