【獣医師が教える】犬の分離不安の解決法

アドバイス編

こんにちは!院長です^^

今回のテーマは【犬の分離不安の解決法】です。

この記事で分かること
  • 分離不安とはどんな状態か
  • 分離不安を解決する方法

ワンちゃんが分離不安かも?と思われる方は参考にしてみてください。

ワンちゃんの分離不安とは

分離不安とは犬が愛着を感じている人(飼い主)と離れた際に生じてしまうストレス反応を指します。

犬の分離不安で起こる主な行動は以下のようなものがあります。

  1. 破壊行動
  2. 過剰な吠え行動
  3. 不適切な排泄行動
  4. 過剰な舐め行動
  5. 落ち着きなくウロウロする行動

上記の行動が飼い主がいない際に起こっているなら分離不安である可能性があります。

分離不安の解決法①

分離不安を解決するには飼い主の外出行動に対する不安を軽減しなければなりません。

以下に挙げるような取り組みを行い、問題行動を少しずつ弱めていくことが目的になります。

  • 安心できるスペースを確保してあげる

ワンちゃんが普段から落ち着いて過ごすことのできる場所を確保してあげることが必要です。

  • 飼い主から離れた場所で落ち着いて過ごす練習をする

ワンちゃん用のベットでオヤツや玩具を与えて過ごさせるようにします。

一緒の部屋で過ごしている状態から少しの時間だけ離れてみたり、隣の部屋で過ごすようにしてみたりと徐々に離れた生活ができるように慣らしていきましょう。

  • ワンちゃんとの簡単なトレーニング

ワンちゃんとの信頼関係の構築目的で簡単な「マテ、フセ、オスワリ」などのトレーニングをします。

オヤツを用いた数分程度のトレーニングを1日2~3回実施していくと、飼い主からの指示を冷静に受けられるようになります。

  • 外出に関係する行動に慣らす

例えばカギを持ち上げた音や、衣服を整える行動などをワンちゃんたちは敏感に察知します。

外出しない時にもこういった動作をしておくことで、実際の外出時に分離不安に関係する行動を軽減できるかもしれません。

分離不安の解決法②

分離不安の解決にはお薬の力を借りる場合もあります。

※お薬だけで問題行動は解決しにくいので、解決法①のような行動療法を併用することを勧めます。

  • 長時間作用型の抗不安薬

ワンちゃんの不安な気持ちが和らぎますので、解決法①による分離不安の治療効果がより高まることが期待できます。

国内で動物薬品として販売されている『クロミカルム』は手に入りやすいお薬ですので、多くの動物病院で扱われていると思います。

効果が得られるのに1~2カ月は最低必要だったり、嘔吐や食欲不振などの副作用も出ることがありますので注意が必要です。

  • 催眠鎮静薬

短期、早期、単発で効果を期待したい場合には鎮静催眠薬を使用します。

筆者は『ジアゼパム』というお薬を使用していますが、作用時間はせいぜい6時間程度ですこしだけとろーんとするようなイメージです。

過度な興奮を抑制できるので外出行動への慣らしがスムーズになるなどの効果が期待できます。

  • リラックス効果が期待できるサプリメント

抗不安、リラックス効果が期待できる動物用サプリメントをお薬と併用することがあります。

あくまでサプリメントですのでお薬の効果をより高めるなどの効果に留まると思われます。

筆者は『ジルケーン』というサプリメントを使用することが多いですが、サプリ単体で問題行動が改善することは基本的にありませんので注意してください。

まとめ

分離不安はなかなかすぐには解決しませんし、飼い主の方の地道な努力が求められる場合が非常に多いです。

問題行動治療に詳しい獣医師やトレーナーに自宅まで来てもらって治療する場合もあります。

まずは近隣で問題行動治療に詳しい動物病院を探してみるのが良いかもしれませんね。

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